第2章 イスラームの恩恵

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クルアーンの中にはこうある。

信仰を拒否して不信仰者として死ぬ者は、たとえ大地に満ちるほどの黄金でその罪を償おうとしても、決して受け入れられないであろう。かれらには痛ましい懲罰があり、いかなる援助者もない。

(クルアーン3:91)

このように現世とは、天国を勝ち取り、地獄を逃れるための単なるチャンスの場に過ぎない。信仰することなく死んでしまえば、もう1度この世に戻ってこれるチャンスはない。クルアーンの中には、最後の審判の日における不信仰者たちの心情が描かれている。

あなたがたがもし、かれらが火獄の前に立たされる姿を見たらどうであろう。その時かれらは言う。“ああ、わたしたちがもし(現世に)送り帰されるのならば、決して主の御言葉を拒否せず、必ずや信仰するでしょうに。”

(クルアーン6:27)

しかし誰しもチャンスは1度きりなのだ。

預言者ムハンマドは言った。

現世で最も幸福だったが、最後の審判の日に地獄行きの判決を下された男がいる。彼が地獄を味わったとき、主は彼にこう訊ねる。“アダムの子よ、あなたは以前何かよい目を味わっていたか?以前は恩恵に授かっていたのか?”すると、彼はこう答える“神かけて、主よ!私は何のよい目も味わってもいなければ、何の恩恵も授かっていませんでした!”。1