第1章 イスラームの真実の証し
その章を聞く
預言者ムハンマドがイスラームの布教を始めた当時、その支持者はごく少数であり、マッカの不信心者たちから迫害の憂き目を受けていた。ある日ムハンマドがカアバ神殿1の前で礼拝していると、それを阻んだ悪意に満ちた不信心者がいた。クルアーンには彼についてこう述べられている。
いや断じてそうではない。もし彼がやめないならば、われはナースィヤ(前頭部)をもって彼を捕まえるであろう。嘘つきで、罪深いナースィヤ(前頭部)を!
(クルアーン96:15-16)
クルアーンは、どうして前頭部をもって「嘘つきで罪深い」と描写したのであろう?クルアーンはなぜその人間自身が嘘つきで罪深いと言わなかったのであろう?前頭部と、嘘つきで罪深いこととの間に何か関係はあるのだろうか?
このように、大脳のこの領域は良い行いや悪い行いに関しての計画、動機付け、実行などの機能を担っている。嘘をつく、真実を語る、といった行動についても、この領域が関連している。それゆえクルアーンが、
嘘つきで、罪深いナースィヤ(前頭部)を
と述べているように、誰かが嘘をついたり罪を犯したりするとき、前頭部を嘘つきで罪深いと描写するのは的確な表現であるということになる。
なおキース・ムーア教授によれば、科学者たちが前頭葉のこれらの機能を発見したのは、ここ60年ほど前のことに過ぎない。4